人は苦労し、傷ついた分だけ、誰かの励みとなる存在になる。
ただし、それらから目を背けずに向き合い、乗り越え、それらの意味する事を自分の中に取り入れる事ができた時に。
人生は苦労の少ない方が良い。
そう思う人の方が多いだろう。
けれどそれは人生を終えた時、大きな損失となる。
立場上、誰かの世話をし続けなければならない人もいるだろう。
早々に幼子と別れを告げなければならない人もいるだろう。
大切な人が病に倒れる事や、自分が病に倒れる事もあるだろう。
大切にしていたものが、手のひらから溢れ落ちるかの様に無くなってしまう事も。
まるで闇の中に放り込まれた様に感じる時、もうどうしようもないと感じる時、生き地獄としか思えない時。
必死でもがき、考え、何とか乗り切った時、そこから見える風景は今までとは違い、そして自分自身が「削れた」分、案に相違してあなたは誰かを助ける存在となるだろう。
あなたは気が付かないかもしれないが、それが人々の心にどれだけの灯火をつける事になるのか。
それがどれ程あなた自身が喜ぶ事なのか。
この世で生きる意味の捉え方はそれぞれ。
ただし、目に見えない傷は、誰しも帰る向こうの世界では勲章となるであろう。