ゾウの見た夢

残念ながら年には逆らえないおばちゃんの独り言

もう既にあったのなら

何かを創造したくて

ならばやってみようと試みたある日。

 

心に浮かんだ絵を紙の上に描きたくなり

描いてみて思った。

いや、紛れもない事実として分かった。

 

「全てはもうある」

 

そんな事はもう知っていると思っていたけれど

私は何一つ知っていなくて、その衝撃たるや。

 

一粒の種を土に植える

種は根を張り芽を出す。

その一連を絵で描こうとした時、種は既に存在し

土もすでに存在する事に気が付いたのだ。

 

その衝撃的事実を改めて体感した時、

自分の存在というものを不思議に思う。

 

私という存在を含めて、この世の中にある全てのものは

誰一人作る事が出来ないであろう。

作れると錯覚しているのは、もうすでに「ある」パーツを組み合わせているにすぎないのだ。

 

パーツの組み合わせや

すでに「ある」存在の能力を見つけ出すのはとても素晴らしく、尊いことで

それはすなわち、すでに「ある」存在の潜在能力の高さゆえ、という事でもある。

 

そう考えていくと、何て面白い世界なんだろうと思う。

私の好きなアートワークの世界に似ているではないか。

もうすでに「ある」存在達に敬意を示さずにはいられないと共に、自分の心の中に形にならないモヤモヤしたものが浮かび上がる。

何か分かりそうで分からない。