ふと視線を上げたとき
そこには綺麗な空があって
ああ、そう言えば空をしばらく見上げていなかったと思う。
いつもあるのに
見えているようで見えていなかった空は
どこまでも遠く澄み渡っていて
私の心もふと溶け込みそうになる。
視線を上げて空を見上げれば
モヤモヤとした心も明るい方向へ動く事を知っているはずなのに
つい視線は下がり
混沌とした心の中に彷徨いこむ。
彷徨い込んだ時は何故か視線を上げる事に躊躇してしまい
なかなか上げられない自分がいるけれど
でもいつだって美しい空は頭の上にある。
視線を一度上げれば
心があっという間に溶け込みそうな空が
いつだってあるのに。
晴れの日も
雲の多い日も
雨の日も。
美しい夕暮れも夜空も。
私の心の片隅にある空の色
その色が頭上にある空の色と交わった時の至福さよ。
いつだって私の心は空と共にいたい、と本心はそう呟く。