ゾウの見た夢

残念ながら年には逆らえないおばちゃんの独り言

暑かりし思い出

今年の夏も暑かった。

 

夫は完全に夏バテ、私は夏バテ気味になった。

 

子供の頃は夏が好きだった。

どうして夏が好きだったのだろうとふと考えたとき、夏にはお祭りがあってその時ばかりは夜遅くまでお祭りに参加できたことや、実家がある場所は夕方になるとスッと気温が下がる場所で、夏の暑さが苦でなかった事などを思い出した。

 

どちらかと言えば「夜のワクワク感」とか解放感の思い出ばかりが浮かぶので、若さもあったのだと思う。

 

今は夏が好きかどうかと言われたら昔程ではない。

目が弱くなった私は紫外線により毎年目が荒れるようになってしまったし、なにより体力が奪われる。

 

ああ、なんてババ臭い理由だ。

 

 

私が高校生くらいの時、母が酷い夏バテをした事があった。

食べられず吐きまくってフラフラになってしまったので短気入院をしたのだが、退院した後、何てことない、点滴を受けただけだと言った。

「ただね、心理療法の人が来てカウンセリングをしに来たの。ただの夏バテなのにねえ。だから、特に話す事はありませんよって言ったの」

と不思議がっていた事が未だに印象に残っている。

 

恐らくその病院では、母に何等かの心理的負担もあったのではないかと思ったのだろう。

 

その時はそんな事もあるのか、と思ったし、そもそも心理療法やカウンセリングといった事がメジャーではなかった時代なので、私も「ふう~ん」位に思った気がする。

 

が、今思えばあの頃の母親はかなり激務だったと思う。

 

癖の強い夫、同居していた義母、そして姉は受験生だったし、母自身も仕事をしていた。

色んな事が毎日激務で、気が付けば何かが自分自身を超えたのだと思う。

 

母は本当によくやっていた。

もし自分が母の立場なら、と思うと考えただけで頭痛がしそうだ。

 

「だって仕方がないでしょう」

そう一言さらりと言って何事も卒なくこなしていた母は、何年かかっても

追いつけない存在だとしみじみ思う。

そもそも持っているものが違い過ぎる。

 

ふと母の思い出が蘇った日だな。

 

暑かった夏。

昼間もまだ暑いが、夜になると秋の気配が忍び寄るこの頃。

こうやっていつの間にか秋の気配が多くなり、季節は移り変わっていくのだろう。